流れ切った文字の後
ひとり続きを待った
みんな知ってる夢物語の
終幕を飾る決まり文句
「めでたし」なんてたった四つ文字で
全てをハッピーエンドにして
終わることができたのなら、どれだけいいだろうか
【第9章:叱責】
同級生「だって、私は、、、お母さんなんていなくなっちゃえばいいのになんて私が思いませんようにって毎日願っているんだから。」
彼女は何とも言えない神妙な面持ちでそう言った。
彼女は毎日戦っている。現実と、自分自身と向き合って戦っている。
それでは、私は?
私はいつまでも夢物語を思い描いているに過ぎないのではないか?
毎日毎日ギャンブルをして、私は夢を見ている。
社会の底辺「それは仕方のないことだろ。誰だってそういう状況になれば、そう思ってしまうのは当たり前だと思うよ。むしろ、思いませんようにって願っているのが君という人間の本質だと俺は思う。」
同級生「......」
彼女は表情を変えず、何か考え込んでいるようだった。
しばらく間があってから、彼女は普段の明るい雰囲気に戻って口を開いた。
同級生「ありがとう。話しすぎてしまったけど話してみて良かった。話せば楽になるなんて言ったけど、きっと私が誰かに話したかったんだ。」
社会の底辺「お礼を言わなければいけないのは俺の方だ。自分の愚かさや自分の小ささがよくわかったよ。」
それからというもの、私は自分の借金のこと、今の仕事のことなどを包み隠さず話した。さすがに借金250万には面食らっていた。
同級生「借金250万って、、、あんた、やりすぎ。でも、社会の底辺の収入からしたら節度ある生活をすれば2、3年で返せるんじゃない?とにかく、ギャンブルをやめることだね。」
社会の底辺「間違いないな。自分がした行いに向き合って返していくよ。」
同級生「社会の底辺ならできるよ。私も頑張るから。しっかりしなさいよ、社会の底辺。」
「しっかりしなさい」と学生だった頃と同じように彼女は言った。
「しっかりやってよ、社会の底辺」「社会の底辺、ちゃんとやって!」
学生時代、彼女には何度も叱られた。
当時、それに応えられなかった私だけど、今回は全力で応えてみよう。
最後の彼女のお叱りに、私は応えて生きていこう。
【最終章:これから】