私は負ける人間として、敗北者の宿命を背負ってこの世に生まれ落ちたんだと思う。
どうしようもなく負けることに飽いている。
仕事が終わり、家に着き、夕食もそこそこにオンカジを開く。
これからルーレットという名のギャンブルをするというのに、高揚感など微塵もない。
死んだ目で、死んだ顔で、死んだ心で作業に取りかかる。
一発目で3分の2ダズンベットを6連続外す。
魔物「いい加減死ねや、お前は。還元率約97%のルーレットでお前みたいなクズが勝ち続けられるわけないだろ。思い上がりも勘違いもここまで来ると病気だな。ここで確実に殺してやるよ。」
社会の底辺loser「......」
魔物「なんだこいつ、動揺していないフリか。痩せ我慢しやがって。まあいい、次で奴の心を完全にへし折る。」
3分の2ダズンベット2回的中した後、さらに5連敗!!
狂気の勝率の低さ!!!魔物の仕業か。それとも、神の気まぐれか。はたまたこの男が持っている圧倒的負の運気によるものなのか。
社会の底辺loser「......」
しかし、この時、社会の底辺loserは表情ひとつ変えない。至って冷静。
いや、この男、何も考えていない。完全に思考停止状態。
魔物「ちっ、つまらん。達観者気取か。それとも諦めか。お前みたいな人間がギャンブルなんてするなよ。ギャンブルする資格なし。いいからもう死ね。一刻も早く死ね。」
― 数時間後
魔物「さぁ~て、あのクズが青ざめた顔で死んでいる様を見にいくか、、、、あ?」
魔物は信じられないものを目にする。死んでいないのだ。確実に殺したはずの社会の底辺、社会の負け組、社会のごみ、クズであるはずの男が。まだ死んでいないのだ。
それどころか、、、、
まさかのプラス収支!!!!!
7日連続プラス収支達成!!!!!
魔物「ふ、ふざけるな!!お前は負けるために作られたんだろうが。お前だけは勝ってはならんのだ。この世はそうはなっていない。なのになぜ、、、お前は、、、」
社会の底辺loser「知ってんだよ。お前が俺を殺しに来るなんてことは。飽き飽きしてんだよ。だって、、、35年間負け続けてきたんだから。」
(おやじぃ、つまんねー小芝居書いてる暇あるならもっと賭けろよ。なに32ドル(約4600円)勝ちで満足してんだよ。)
ほんとやっていて楽しくないです。苦しいまである。
支払いのためには続けるしかない。
しかし、よくできてるわルーレット、この世界。
それではまた明日会いましょう。